スロットマシンの抽選方法と仮想オッズ
数百、数千回のルーレットやサイコロゲームの結果を横に並べると、
そこに規則性を見つけることはできません。
過去の結果にも影響されることなく完全に「不規則」です。
そもそもカジノは、
何からも影響を受けず完全に不規則(ランダム)な結果を排出するゲーム
を好んで取り扱います。
そしてスロットマシンも例外ではありません。
ではスロットマシンはどのようにして各リールの絵柄を
ランダムに選び出しているのか?
スロットマシンの抽選方法
ご存知のようにスロットマシンはプログラムによって動作します。
だから不規則な結果もプログラムの中で作られています。
サイコロの出目のように規則性がなく予測不可能な複数の数字を
「乱数列」と呼び、その個々の数字を「乱数」と言います。
ソフトプログラミングの世界ではその乱数を生成するプログラムが存在し、
RNG(Randam Number Generator:乱数発生器)と呼ばれます。
カジノのスロットマシンではまずこのRNGが乱数を生成するところから
はじまります。
ここで生成する乱数は1~4,294,967,295という約43億個の数字のどれかで、
基本的に1リールにつき1つの乱数を生成します。
そしてリール毎に生成したそれぞれの乱数を、
64、128、256、512のどれかの数字で割ります。
(どの数字を使うかはスロット機種によって異なる)
ここでは生成された乱数を「128」で割った場合を考えてみます。
割った結果の「余り」だけに注目すると、
0~127までの128個の数字が余ることになりますね。
この128個の数字を次のテーブルに対応させると
停止される絵柄が決定されるということになります。
リールの順番 | 結果(余り) | 絵柄 | 重み(128個中いくつあるか) |
1 | 0~1 | チェリー | 2 |
2 | 2~6 | ブランク:空白 | 5 |
3 | 7~11 | バー | 5 |
4 | 12~16 | ブランク | 5 |
5 | 17~24 | 7 | 8 |
6 | 25~29 | ブランク | 5 |
7 | 30~34 | シングルバー | 5 |
8 | 35~40 | ブランク | 6 |
9 | 41~42 | チェリー | 2 |
10 | 43~48 | ブランク | 6 |
11 | 49~55 | ダブルバー | 7 |
12 | 56~61 | ブランク | 6 |
13 | 62 | チェリー | 1 |
14 | 63~68 | ブランク | 6 |
15 | 69~74 | ダブルバー | 6 |
16 | 75~80 | ブランク | 6 |
17 | 81~86 | シングルバー | 6 |
18 | 87~92 | ブランク | 6 |
19 | 93~103 | トリプルバー | 11 |
20 | 104~114 | ブランク | 11 |
21 | 115~116 | ジャックポット | 2 |
22 | 117~127 | ブランク | 11 |
合計 | 128 | - | 128 |
例えばRNGから生成された番号を128で割った解の余りが「42」だった場合、
「チェリー」が停止するということです。
上表の例では、1つのリールには22個もの絵柄がありますが(空白含む)、
その内チェリーは3つあるので出現する確率は
3/22=13.6%と思ってしまいますがそれは違います。
128個の数字中、「チェリー」に割り当てられた数字は5個。
つまり5/128=3.9%となります。
このように128個の数字の内、任意の絵柄がいくつ対応するか?
を「重み」といい、全てのリールで異なった重みづけがされています。
例えば3リールのスロットで「ジャックポット」の絵柄についての重みは、
第1リールと第2リールに2個ずつ割り当て、第3リールでは1個だけにすることにより、
第1リールと第2リールでジャックポットがリーチする確率が上がります。
このように「重み」を変えることにより、
- 絵柄の出現確率が変わる
- リーチを多く見せることでプレイヤーに期待を持たせる
という効果があります。
スロットマシンのハウスエッジ
先ほど紹介した絵柄の割当て表を使って仮想ではありますが、
スロットマシンのハウスエッジを計算してみましょう。
(一応本物のスロットを参考にしているので近からずも遠からずです)
ここでは計算を限りなく簡単にするために
3リール1ラインのスロットとし、1~3リールまで全て先ほど紹介した
絵柄の割当て表を使用することにします。
まずハウスエッジを計算する上で重要なのが配当表ですね。
絵柄 | 配当 |
ジャックポット | 1500 |
7が3つ | 300 |
トリプルバーが3つ | 100 |
トリプルバーが3つ | 100 |
ダブルバーが3つ | 50 |
シングルバーが3つ | 25 |
いずれかのバーが3つ | 12 |
チェリーが3つ | 12 |
チェリーが2つ | 6 |
チェリーが1つ | 3 |
絵柄の割当て表と配当表からハウスエッジを計算してみます。
絵柄 | 確率 | 計算方法 | 配当 | 還元率 (確率×配当) |
ジャックポット | 0.0004% | 2/128×2/128×2/128 | 1500 | 0.6% |
7が3つ | 0.024% | 8/128×8/128×8/128 | 300 | 7.3% |
トリプルバーが3つ | 0.064% | 11/128×11/128×11/128 | 100 | 6.4% |
ダブルバーが3つ | 0.105% | 13/128×13/128×13/128 | 50 | 5.2% |
シングルバーが3つ | 0.195% | 16/128×16/128×16/128 | 25 | 4.9% |
いずれかのバーが3つ | 3.052% | (16+13+11)/128×(16+13+11)/128×(16+13+11)/128 | 12 | 36.6% |
チェリーが3つ | 0.006% | 5/128×5/128×5/128 | 12 | 0.1% |
チェリーが2つ | 0.440% | (5×5×123+5×123×5+123×5×5)/(128×128×128) | 6 | 2.6% |
チェリーが1つ | 10.821% | (5×123×123+123×5×123+123×123×5)/(128×128×128) | 3 | 32.5% |
合計 | 96.2% |
「合計」の96.2%の意味はあなたが1ドルベットして回転させた場合、
毎回約0.96ドルのリターンが期待できるということです(ハウスエッジ)。
もちろん短期的にみると上記の計算結果以上に勝つ可能性もあるし、
負ける可能性もあります。
でも数万回、数十万回プレイするとスピンさせる度に、
0.96ドル負けるマシンだということを意味しています。
上表で興味深いのはジャックポットにおける投資リターンの割合(還元率)が
0.6%と非常に小さいことに対して、
配当のもっとも小さい「1チェリー」があなたに30%以上もの
資金を還元していることです。
今回は私の仮想スロットのハウスエッジを例に取りましたが、
実際のスロットのハウスエッジもこんなものです。
それにしても最低配当の絵柄があなたに一番貢献しているということを
知ってしまったからには、これからバカにはできないですね(笑)。
RNGは常に数字を生成している
実は、RNGはスロットマシンをプレイしていない時も
毎秒1,000個以上もの乱数を生成しています。
そしてあなたがコインを投入し、
レバー若しくはスタートボタンを押した瞬間、
3つのRNG(3リールの場合)は新たに3つの乱数を生成します。
だから0.001秒スタートさせるタイミングがズレただけで
全く異なった結果が出力されます。
また余談ですが、RNGはスタートボタンを押した瞬間に全ての乱数を決定し、
結果を出力し終わっているため、
リールの回転自体はあなたの期待を煽る「演出」ということになります。
さて今回はスロットの不規則性について説明しましたが、
いかがでしたでしょうか?
RNGはページの冒頭でも述べたように「過去の結果」をはじめ、
- 最後にジャックポットが出た時期
- レバーを使うか?スタートボタンを使うか?
- 曜日や日時
- etc
これらの影響を一切受けず、リール毎に停止する絵柄は
完全に不規則なので、
連続で外れ続けたら大きな配当の絵柄を当てる。
というような「配当サイクル」のようなものもありません。
だからジャックポットがいつ出るか?
ということはスロットの製造Maker、カジノ関係者含めだれも全く予想できず、
強いていうならRNGだけが知っているということになります。
よく日本のパチンコ、スロットで、
「オカマを掘られた」
なんて言いますが、
カジノのスロットマシンにおいては全くあり得ないことなのです。
次回はスロットをプレイしようと思っているあなたが気になる、
スロット必勝法を徹底的に調査してみましたので、その結果を紹介します。